2005年4月27日(水)
no.5 「手紙力!」が身につく本 花田紀凱 編

「手紙力!」が身につく本

花田紀凱 編


中経出版 
1200円+税
 
2003年発行
上記画像は
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手紙書いていますか?書きたい相手はいますか?


今までの
おつかれさま
これからの
おつかれさま

 永六輔氏から頂いた手紙の一節である。電子メール全盛の今、手紙の垣根は低くなった。コミュニケーションが容易になったともいえよう。しかしそれ故に必要のないもの、あるいはその垣根が止めてくれたものまで相手に伝わるようになってしまった、と言う側面も否めないであろう。それは文の重さを変え、あるいは人に対する配慮を変えたのかも知れない。
 
 メールの存在を否定するつもりは毛頭ない。しかし、メールにせよ、ケータイにせよ、道具を使いこなす事が必須であり、道具に使われてはならないのではないだろうか?

 そんな時どうするか?その答えの一つがこの本の存在であると私は思う。「手紙力!」が身につく本、と題しこの本では永六輔氏、俵万智氏、田原総一郎氏など様々な著名人の方の手紙に対する思い、エピソードを提示していく。”手紙の返事は必ず書く”という人がいたり、”余白で読ませる事”を心がける人がいたり…。その人その人に手紙に対する思いがあり、それを読むと素直に「手紙っていいなあ」「書きたいなあ」と思えるようになる。その思いをうかがい知る、そして実際に書くこれが「手紙力!」なのではないかと思う。何を言っても実際に稽古を積まない事には机上の空論、力なんかつく筈はないから。

 そうして気持ちを作り、読み進めていくと、次にテクニックの話しに入る。
こういう時ははどう書くか?なにに注意するか?例えば何かミスをしたときにそれを本意、不本意に関わらず、詫びる事があったとする。若しくは相手にご不幸があり、それを見舞う事があったとしてもいい。そういう時は混乱状態である。そんな時にこれは押さえておくといいよ、というアドバイスが実例と共に書かれている。形式である。形式、というと堅苦しいと言う人もいるかもしれないが、その型があるからこそ、自分の想いが伝えられる、自分を守れる、あるいは自由に書ける、という事も場合によってはあるのではないかと思うのである。想いが強い程、相手の事を少しおざなりにする、という事もありえると思うのだ。それを抑える、それが形式の一つの効用であると思う。

ある本で礼儀作法は戦いの場でその形式にのっとる事でお互いに相手に対し、敵意のない事を示す(言い換えればそこで相手に心配をさせる事を避ける)為に生まれたものであると言っていた。また乾杯はその杯に毒等入っていないことを来賓に示す為にした、という説もある。これと似たもので、相手の事を考えてこその型、という側面もあると思うのである。

 そうして最後には駄目押し!字を丁寧に見せるコツがつく。私のような字の下手なものには心憎い演出である。痒い所まで手が届く感じである。更にメールマナーについても軽くふれている所も本の編集としてはうまい所である。が、やはり手紙のススメ、という一冊である。是非、読んでメールと共に手紙も書いて欲しい。

さて、私も葉書買いに行かなければ…

追記
メールについての本では私はまだ未読だが、 村上龍著「eメールの達人になる」という本もある。読み終わり次第紹介したいと思う。
今日のあれこれ
 今日のオススメで「大人の小論文教室」を入れた。文章についてと紹介したが、読んでいくとコミュニケーション論である事が分かる。それは即ち自分が他者との関係性で自己を持ちどう生きていくか、と言う事でもあると思う。
今、私は「不安」である。ある組織から離れた、離れざるを得ない状況にある。その不安とどう向かっていくか?そのヒントもこのエッセーの中に見る事が出来た。

文章自体、力を持つ、というのは間違いないと思うが、それに加え文章には「旬」があると思うのである。
その旬は何時か?それは人それぞれだと思うのである。だから同じ本で最初に読んだ時、何だ?と思ったものでもある時になればなるほど!となることも多々あると思う。

それを考えれば昨日書いた覚悟も必要だが、そこで割り切るのではなく、向き合っていく事、これも結構大事なのかなと思ったり。

話はがらっと…西武…マズイですねえ、勝てません。我慢の中に明日への希望があれば、前に進んでいけるんだけど。

追記
福知山線列車事故。 死者91人 負傷者456人 (読売新聞 27日14時42分)
本日のお勧めリンク
http://www.1101.com/index0.html (ほぼ日刊イトイ新聞)
http://www.1101.com/essay/index.html(ほぼ日刊イトイ新聞内大人の小論文教室) 文章についてのエッセイ

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