2005年5月2日(月)
GW特別企画 連続芋づる式第一回「まちシリーズ」
その1
(no.10) 集客都市 文化の「仕掛け」が人を呼ぶ 橋爪紳也 著

集客都市
文化の「仕掛け」が
人を呼ぶ

 
橋爪紳也 著

 
日本経済新聞社
1800円+税
 
2002年発行
上記画像は
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都市の主役は誰なのか?

 
今週はGW。特別企画と銘打ち、連続でいくつかの本を芋づる式につなげていきたい。今回の「はたけ」は「まち」である。考えてみれば人間が生きていくうえで作られたのが「まち」。そういう意味では万物につなげる事が出来るフィールドであるが、今回は…昨日紹介した野球、そして寺社、更に城と言ったキーワードをつなげていければと思っている。是非お付き合いのほどを。

 今日は第一弾としてこの本を紹介する。私の専門の一つは都市に関する事の学びである。筆者の事は「文化住宅」なる物の東西(関東・関西)の違いを突き止めていく中で大阪の都市論に触れるにあたり、 「大阪モダン―通天閣と新世界」を読んで知った。そしてその後、野球で論文を書こうとし構想を練る中で 「南海ホークスがあったころ―野球ファンとパ・リーグの文化史」を読んだりしていき、興味を持ち始めた。更にある旅行の際、門前町について調べる事になり、それが野球場につながり、それらすべてを括る一冊としてこの本が出てきたのである。…その関係性とは何か?それを明らかにするのが今回の企画である。

 この本のポイントは今日のタイトルの通り「都市の主役とは?」と言うことである。筆者はこの本の中で、都市は住民だけのものなのではなく、今やその都市を訪れる人々、「ビジター」のものでもあるという説を提示する。都市を構成するのは長期間住む住民だけでなく一時的に滞在する「ビジター」もまたそうであるとするのである。
そしてその「ビジター」を如何に集客してまちに賑わいをもたらすか≒活性化させるかを考えていく。

 そのため≒集客する方法として筆者はテーマパーク化、歴史の活用、環境意識の利用などをあげ、その活用に対する自身のアイデアを述べていく。
この中で「恋愛」もまた集客する為の要因として成立しているという指摘などは中々面白いものだった。
確かに例えば唄で唄われた場所がデートスポットになったり、逆に都市伝説で「ここに行くと別れる」と言う場所があったり、逆に「ここへ行けば別れない」とい場所があったりしている…。(面白いけど暫くは無縁だなあ(泣))
そのほかに名所についての考察もある。名所にはある一時期だけ名所となる場所がある、と言う指摘も言われてみればなるほどである。
言われてみればなるほど、これが結構ある本なのである。

 ただこのように筆者がいろいろな可能性を指摘していく中で押さえておくべきなのは、これら集客手段ははあくまでも、地域自体の持つ力を重視してのものであるべきと指摘していることだと私は思う。そこには住民とビジターの二項対立は存在していない。寧ろ住民側にたって考えれば「ビジター」という視点を確保することにより、よりよいまちを創っていける可能性が示唆されている。建設的な一冊である。

 惜しむらくはどうしても理論であり、その実証が少ない事。論を確実にする具体的なデータがあればより示唆的なものになったのではないかと思う。ただ、それがないからこそ、読みやすいのかもしれないが…。

 都市を見る目に新たな一視座を提供する一冊である。都市を考える際のスタートとして活用すればいいのではと思う。私もこれをスタートに明日から芋づる式に進めていきたい。
今日のあれこれ
 面白いもので、こんな駄文をかく私ですら波があるようである。今日の文章は何か乗らない。(いつもひどいものだが)ただ、最低限嘘は書かないようにしているつもりである。魅力を伝えきれないのは自身の未熟さゆえである。ただ、自分のせいで読んでくださっている方に嘘の情報を提供し本との出合いをマイナスにする事、それだけはしたくない。

 本当に読んでくださった方、ありがとうございます。貴方様の読んで下さる事がどれほどの力になっているか…「感謝」です。今日から一週間、GW企画、お暇でしたら是非ご覧下さい。

 大学、連休の間なのに学生の多いこと、多いこと。真面目なもんです。でもなぜかそわそわにしていて、一人もんには少し辛いんですよねえ。さて、どう動こうか…。
本日のお勧めリンク
波があったので、凄いなあと思うサイト・好きなサイトを紹介。
http://marie2.com/index.htm

(アフィリエイト★マニア 人を集めるプロ。読んでいても面白い。密かに文の師匠と仰いでいたり、ネットの先輩と仰いでいたり…)
http://www.100shiki.com/ (百式 ここもまた…脱帽です)

http://www.geocities.jp/okigarumororin/index.html

 (本が好き!お気軽読書日記 全体の雰囲気が好きなサイト。自然体という感じで…凄いなあと思って拝見させてもらっています)

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