2005年5月19日(木) |
no.25 民俗からの発想 雑木林のある暮らし・地域と子どもたちの原風景 大舘 勝治 著 |
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民俗からの発想
雑木林のある暮らし
地域と子どもたちの原風景
大舘 勝治著
幹書房
2800円+税
2000年発行
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民俗学のススメ!
さて久々の紹介。こういう時は得意分野でいくのが文章が書きやすいかと思い(趣味が広いんです)今日は民俗学に関する本の紹介である。
上の写真、いずれも民俗学に関する写真である。(1)は宮崎県に旅行した際に撮った「タノカンサア(田の神さま)」である。読んで字の如く農業の神様である。農民により良く運ばれたりした面白い神様である。(2)これは埼玉県川口の鋳物師さんの実演の様子である。溶かした金属を砂を固めて作った型に流し込んでいる所の図である。(3)これは注染という技術よって作られた浴衣の反物を干している図である。10メートル近い高さの台からこのように干され、風にたなびく様は爽快である。(埼玉八潮にて)
では民俗学とはなんであろうか?私なりの勝手な理解で説明すると『教科書等で扱われない歴史』更に言えば『書物等に残される事の少ない庶民の歴史』を辿るものでもある。具体的には民間伝承、つまり日本人の風俗・慣習・生活文化を研究するものといってもいいかもしれない。
今日紹介する本はそんな民俗学の分野の本である。私は現在縁あって埼玉県の大学に通学している。この本はその埼玉の民俗、雑木林のある暮らし、そして子どもたちの行事などについて多岐にわたり記された本である。
「湿田」この言葉を知っているだろうか?湿?田んぼはみんな湿っぽいでしょ!という人がいるかもしれない。それに限って言えば答えはそんな事はない、という事になる。なぜなら陸稲の存在があるからである。「陸稲」この漢字、読めるだろうか?これでおかぼと読む。これは畑で作る稲の事である。
さて話を戻す。「湿田」というのは田んぼの中の区分としてあるのである。「湿田」と「乾田」が田んぼにはある。「乾田」。これは私達が普通に想像するであろう田んぼの事である。今頃水を張り、冬になるとからから。それに対し、一年中、水の枯れることない大げさに言えば沼のような感じの田の事、これを「湿田」と言うのである。これは埼玉の大宮のあたりで最も良く見られる田んぼの形態である。
この本ではその湿田での稲作についても詳しく説明されている。
民俗学の面白い所である。このように「田んぼ」「稲作」というと自分の知っている一つのイメージを答えとして浮かべがちである。しかしその実、様々な形があったりするのである。そうすると自分の中の常識が打ち破られたりするのである。
例を挙げてみよう。お雑煮。貴方の家のお雑煮はどんなものだろうか?餅をいれる?ではその形は?丸に決まっている!いや当然四角です!さて貴方の家どちらだろうか?お雑煮の餅の形は地域により違いがある。餅の形一つにも地域差があるのである。
こういう事はつい自分の所の事は「当たり前」と思ってしまい気付かない事が多いのである。それ故に失われやすいものではないかと私は思うのである。
他にこの本で紹介されているものに子どもの年中行事がある。お雛粥や花祭りなど。これらも今や失われつつある。先に紹介した雑木林もそうである。雑木林の暮らしが、そして雑木林自体が無くなりつつある。雑木林は木は皆若いものである。それすら私は知らなかった。そんな風にこれらは気付きにくいもの故に、気付く事無くなくなりつつあるものでもあるのである。筆者はこれを考え、その保存を勧め、また教育の面でもこの民俗伝承を生かすべきであると説く。
私個人もふと思う。普段あるものの価値は失くして気付くことが多いと。
ちなみに、トトロの森の舞台、それはこの本の舞台でもある。あんな森、環境がある場所である。そういう意味では民俗学から環境へのアプローチという事も結構重要である気がしてならない。
写真も多く見て楽しい本でもある。埼玉に関係のある方は是非!そうでない方もこれを読んで、自分の住んでいる地域の民俗について考えてみていただければきった新しい発見があると思う。
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今日のあれこれ |
暫く、更新が滞ってしまいました。毎日来てくれた方、申し訳ありません。毎日本を読んではいるのですが、それに大学の課題で読む本が加わったりすると…とっても面白い状況になってしまいます(泣)もう一段落するので、また更新していきます。駄文ですが、宜しかったら是非読んでいただければこの上ない喜びです。
今、声援を送れない、届かない人がいる。でも大事な大事な人である。
自分とおしゃべり、貴方は言っていました。周りの状況、今の状況で勢いに流されること無く、自分の事を見つめ、貴方を見つけてください。あなたは素晴らしい可能性を秘めている。貴方は素晴らしい魅力を持っている。
もう声が届くこと、届ける資格も無いとは思いますが、応援しています。
出来るだけ、貴方にとって幸せな悔いの残らぬ明日が迎えられるよう、心よりお祈りいたします。
そしてたくさんのごめんなさい。そしてありがとう。
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本日のお勧めリンク |
http://www.rurubu.com/entame/04winter/ozoni/ (全国お雑煮MAP2005)
http://chimeian.hp.infoseek.co.jp/zouni/syousaizouni.htm (全国お正月お国自慢)
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