2005年5月26日(木)
no.29 「純喫茶・谷村新司」セレクト ラジオのレシピ 
「純喫茶・谷村新司」
セレクト
ラジオのレシピ


インデックス・マガジンズ
1000円+税

2004年発行
上記画像は
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 「まず、茶碗を洗いなさい」

 今日の本は料理のレシピである。題の通り、「ラジオ」のレシピである。一つの番組から、そしてそこに集まるべくして集まった葉書の数々が作ったレシピ、それがこの本である。寄せられたメニューはすべて簡単でおいしいもの。本当に簡単なのである。
ここに「ラジオ」の匂いを感じるのである。「ラジオ」に寄せられるリスナーの声は基本的に葉書である。その葉書の情報量は限られたものである。その伝達手段により届けられた美味しいレシピであれば、それは簡単な筈である。そういう意味で「ラジオ」とそのリスナーだからこそ作り得た本であるといえる。

具体的に紹介されている中で私一押しの料理をいくつか紹介しよう。
にらご飯
材料はにら・ごま油・醤油のみ
キャべコン
材料はキャベツ・コンビーフ・バター・塩・こしょうのみ
そしてギョウザピザ
もち・ギョウザの皮・かつお節・めんつゆなどでシーフードピザの味わい

こんな感じである。これらは本当に簡単(ピザでも20分で作れる)で私の好物リストにも入るつわもの達である。(作り方はこの本を実際に手にとって見て欲しい)

 「ラジオ」とこの本についてもう少し考えてみたい。「ラジオ」は勿論耳で聞くメディアである。テレビと違い視覚から入る情報が無いのである。(その為ラジオは視覚障害の人にとっては主たるメディアでもあるのだが)この本の凄さは、その耳から聞いた印象、それが視覚を含む媒体へと広がっていった事だと思うのである。ラジオから本へ。そこにはラジオで音によって伝えられた情報を、想像し、そして自ら作り、感じるという多くの情報を受け取る側の行動があったと思うのである。そういう意味でもこの本できるまでの過程を考えると、やはり他のレシピとは一味違う物であるといえると思うのである。



 さて今日の題は「まず茶碗を洗いなさい」である。

禅の例え話で次のようなものがある。
ある一人の男が悟りを開こうと師の元に弟子入りをした。そして彼はその師に悟りを開くために、如何にすればよいかを尋ねた。師は言う。貴方は今日、食事を取ったか?男、はい。師、ならばまずその茶碗を洗いなさいと。

さて翻って自分自身。大きな問題、難題に直面したとする。その時にどうするか?いきなりその問題を解決しようとする事、それは時にはどうしても無理な時がある。時間的制約、人的制約など等で。さてここでどうするか?自分の置かれている現状を一息ついて考えてみる。その際には最悪な現状も想定する。自分にとって良いデータ、悪いデータを把握する。そしてそれをまずは受け入れる。そして考える。さて、では今私ができる事は何か?どんな些細な事でもいい。その問題を直接解決へ導くものでなくてもいい。

私が一人の高校生であったとしよう。そして受験を控えているとする。志望校も決められない。成績は散々…サイアク。さてそこでどうするか?志望校を決めるべく努力をする、成績を上げるべく猛勉強する。出来れば、それに越した事はない。しかし私のような意志の弱いものは中々そうはいかない。じゃあどうやって志望校を決めればいいのだ?成績を上げるにはどうすればいいのか?そこで迷い、ひどい時はその迷いの苦しさから現実から目を背ける事もある。

そこで考える。志望校決めないといけない。成績を上げないといけない。それはそれ。じゃあ何故自分は志望校を決められないのか?→何をしたいか分からないから?・どんな学科があるか分からないから?etc。じゃあ今具体的に何が出来るのか?何をしたいか→周りの興味のある大人にその職の話を聞こう!/今日、今したいことは何か?10日後は?1ヵ月後は?一年後は??じゃあ大学に入る時は?

成績が悪い、それは何故?参考書を読んでも分らない?どうして→意味が分からない言葉があるから→その言葉は他に何処に書いてある?→教科書だ!→じゃあ教科書は分るか?→分らない→では授業は?→授業は分るんだ!→じゃあなんで?→復習してないな→でもテスト前の一夜漬けでも中学校の時は出来た何故?→ノートみて覚えなおすのを一夜漬けでやってたな→じゃあ今ノートは?汚い!読めねえよ俺の字!→じゃあ、まずはノートの字を丁寧に書いてみるか!!

現状を捉え、考えてみると、自分の置かれている環境が厳しいものだとしても、何かしら出来るものがでてくるものである。もしそこでその状況に不満があったら、その中で出てきた自分でも出来そうな事やってみてもいいのではないだろうか?



 本に戻る。
この本はとても簡単な料理のレシピである。しかし、それが楽しみながら、いくつかマスターできた時、その喜びと共に、それに新たに何かを加える事が可能になると思うのである。
ご飯が炊けなければ当然、寿司は作れないし、チャーハンも出来なければ、焼きおにぎりも作れない。それと同じで一つの料理ができるという事は、そこに大きな可能性を生み出す事になると思うのである。

料理のきっかけとなる一冊である。料理の苦手な人ははじめの一歩に、得意な人は新たな刺激に是非この本を活用してみて欲しいと思う。

追伸
谷村新司…と聞いて「セイヤング」「天才秀才バカ」を思い浮かべた貴方。是非お便り下さい(笑)
今日のあれこれ
よーいドン!

今、自分の置かれている状況は大変に厳しいものである。大事な友には誤解を与え、敵視され、その友自身を迷いの森に追い込んでしまった。その為、所属していた集団にいれなくなった。それがきっかけか、その集団は今は崩壊状態。
多くの人に迷惑をかけ、申し訳ない思いに打ちひしがれていた。

当初は、何も目にする事が出来なかった。ただ一日を生きるのに精一杯だった。しかし、そんな中で現状が分ってくると、諦観の念というか、落ち着きが得られたのである。
最悪の事も考えた。でもその最悪の事を受け入れてみれば、案外落ち着くもんである。

まだ私は生きている。ここで何が出来るか?それは世界に作用を与え、自分の直面している問題にもたとえ、微小であろうと影響を与える筈である。まだ自分には何かが出来るのだ!
そう思うと、たくさんの事をやりたくなってくる。
今できることをやればいいのだ、まずは茶碗を洗えばいいのだ。と。


そう思えた、今日。久々の、そして軽やかなゼロからの「よーいドン!」である。


本日のお勧めリンク
今日はラジオ特集!
http://www.joqr.co.jp/
 (文化放送)
http://abc1008.com/ (ABCラジオ)
http://abc1008.com/ohapaso/frame.html (ABCラジオ内オススメ番組 おはようパーソナリティー道上洋三)

http://www.tbs.co.jp/radio/format/akiyama.html 
(TBSラジオ内 秋山ちえ子の日曜談話室 ※秋山さんは45年ラジオを続けられた方)

http://www.tbs.co.jp/radio/rokuchan/ (土曜ワイドラジオ東京 永六輔その新世界)

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