
「出会い」
久々の更新、且つ本の紹介である。昨日は調査で埼玉の小江戸、川越に行った。蔵造りで有名な町である。ただ結構多い誤解はこの蔵作りと小江戸というイメージからこれらの町の景観が江戸時代のものであるというもの。この蔵造りは明治に大火事があり、その時に燃えないで残った、店蔵やただの蔵を見て、川越の商人たちが作り始めた…という経緯のものである。小江戸と呼ばれるのは運輸の面、あとは有力な僧の存在、有力な城主の存在などなどまた複数の要因があるのである。その結果の一つの表れが蔵造りなのである。と川越の事を書き綴ってもいいのだが、今日は本の紹介。本題に移る。
今日紹介する本は正に題名の通り、古本屋の女房がその生活について語る本である。その語り口も軽快で読みやすいものなのだが、それに加え、今まで身近だけど知らなかった古本業界についての知識も得ることが出来るのである。この本を読んでいると、「セドリ」という言葉が良く出てくる。私はこの本を読むまで、この言葉を知らなかった、そういう意味で新たな世界を覗く、という意義もある一冊である。
又面白いのが、著者が子どもをつれ、全国の古本屋を巡るくだり。著者は本の何処を読んでも分かるくらい「本が好き!」な方である。その人が語る、古本を中心とした諸国漫遊。埼玉も浦和、大宮、川越などが出てきており、思わず「あっ!」といいつつむさぼるように読んだ。そしてこの漫遊の記述は永六輔さんを彷彿とさせるタッチで語られる。
今日のお題は「出会い」である。最初に川越調査のことを書いたが、まちを歩く時様々な出会いがある。それは人に限らず、建物であり、匂いであり、時であり…。まちを歩く、という一つの行為で様々な出会いが得られる、だから私はまちを歩くのが好きである。
本との「出合い」、これも好きである。
面白いもので、自分が詰まっている時、必ずいい本との出会いがある。
今回のミッションの際はズーニーさんの本との出会いがそれだった。
そして本との出会いは、いろいろな物をプレゼントしてくれる。
本を介しての友人、このサイトを始めてから他の読書サイトの管理人さんと知り合う事が出来た。又実生活でも行き詰っている時に本を介して同じ興味を持っている人がいることを知ったり…。
本をきっかけとして自分が生きていく中で様々なものが動く瞬間がある。
本自体は語らない。自身が本と向き合って、そうすると本との対話が始まる。結局向き合うと言う時点で意識、無意識の差はあれ「何か」を望んでいる。そして動く瞬間を得ることが出来る。だから私は本との出合いが好きなのかもしれない。
もっと言えば、それはまちを歩く時もそうである。ある程度の出会いは自然に得られるが、人にしても建物にしても匂いにしても、それはこちらが向き合って、意識をしてはじめて得られる「出会い」であることが多いと私は思うのである。
自分が意識をする「出会い」だからこそ変化もおきやすい。そんな「出会い」であると思うのである。
この本を読んだ時、古本屋という「出会い」の場所と著者が様々な古本屋を巡る、様々な本との出会っていくのを読んで、これは「出会い」の本だなと感じた。
本との出合い。素晴らしい可能性を秘めていると私は思う。
だからこそ、それが一つのテーマに成っているこの本に私は引かれた。
皆さんは本との出合い、どう考えていますか?
その一つの場古本屋を舞台にした一冊、そこを知る上でも本との出合いを考える上でもオススメの一冊である。
※色々考えましたが、見苦しいので本日だけ雑記を分離しました。
本日掲載文の雑記は日曜17日に移しました。
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